京丹後市久美浜の旧城下町一帯では、毎年恒例となった「久美浜ひな祭り」が2月下旬から4月上旬にかけて行われ、竹と和紙で手作りされた「竹筒雛」が店先や民家の玄関先に飾られ、訪れる人を迎えてくれます。
竹筒雛は上部を斜めに切った竹の中に、和紙を折って作った可愛らしい雛人形を入れたものです。
青竹にお姫様といえば「かぐや姫」ですが、お雛様のイメージと重なり、とてもしっくり来ます。
この雛祭りに合わせて、同地区にある「豪商・稲葉本家」でも同家に伝わる雛人形が展示され、無料で拝見することが出来ます。
稲葉本家は、小田信長家臣、美濃の稲葉一族の末裔と言われ、久美浜の地で麹の製造を営み、それで得た富を背景に、北前船による廻船業の沿岸交易により巨富の財を成した商家です。
稲葉家は付近諸藩の金融を独占するほどの豪商となり、地場産業の振興を図りながら地域経済を支えてきました。また、明治に衆議院議員も務めた12代目の市郎右衛門英裕が建設の足掛かりを付け、13代目の稲葉市郎右衛門が多額の私財を投じて、旧国鉄宮津線の久美浜-豊岡間を開通させたことは有名です。
現在、稲葉本家の母屋や蔵は国登録有形文化財指定となり、NPO法人「わくわくする久美浜をつくる会」が管理・運営をされています。
豪商・稲葉本家のホームページはこちらから。
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